はじめに
一日の終わりは、からだと心を「休息モード」に切り替える時間です。スマートフォンや照明などの刺激をそのまま引きずると、
自律神経の切り替えが追いつかず、眠りが浅くなることがあります。
東洋医学では、夜は“陰”の時間。外の活動を静め、体内のエネルギーを整えるための大切な養生の時間とされています。
本記事では、恵比寿の鍼灸院「ハリステーション」が、夜にできるシンプルな整え方をご紹介します。
※内容は一般的な情報提供を目的としています。
感じ方には個人差があり、必要に応じて医療機関での診療が必要な場合があります。
🪷 夜の養生とは?
夜の養生とは、からだと心を静かに沈め、回復に向かわせる習慣のこと。昼間は“陽”が盛んで、行動・思考・外へのエネルギーが働きます。一方、夜は“陰”が主る時間。東洋医学では、この陰陽のバランスが乱れると、眠りの質が下がると考えます。
まずは「何をしないか」を意識するのが第一歩です。
・寝る直前までスマホを見る
・強い照明の下で作業を続ける
・夕方以降にカフェインを摂る
これらはすべて“陽の刺激”を残す行動です。
夜の養生は“静けさ”を取り戻す選択から始まります。
🌕 自律神経と“夜”の関係
夜は、副交感神経が優位になる時間帯。けれど現代人の多くは、仕事や情報の刺激によって“交感神経”が働き続けています。その結果、眠っても浅く、朝に疲れが残ることも。
自律神経を整えるためには“切り替え”を持つことが大切です。
たとえば——
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帰宅後すぐに部屋着に着替える。
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湯船に浸かる
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好きな香りのアロマやお灸でリラックスする
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寝る前に深呼吸や軽い膝裏のストレッチで、呼吸のリズムを整える
鍼灸では「呼吸」「血流」「筋肉」のバランスを穏やかに調えることで、交感神経の過緊張をやわらげます。
🌿 東洋医学で見る「夜の時間帯」
東洋医学では、夜22時〜深夜2時を「胆」「肝」の時間帯と呼びます。これは、体内の代謝・解毒・再生が活発になる時間。この時間に起きていると“気血”の巡りが滞り、翌朝のだるさや肌のくすみにもつながると考えられています。
眠りの準備は、寝る“1時間前”から照明を落とし、テレビやスマホの光を遠ざけ、湯船やストレッチで少しずつ陰のリズムへ移行しましょう。
🕯 鍼灸師がすすめる夜の過ごし方5選
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ぬるめの湯に15分以上つかる
→ 40~43℃の湯でじっくり温めると、副交感神経が優位に。 -
深呼吸と肩まわし
→ 背骨が整い、呼吸が楽になってきます。 -
就寝1時間前に照明を落とす
→ 脳の覚醒ホルモンを抑え、眠気を自然に促します。 -
寝室の温度と湿度を整える
→ エアコン設定は26℃前後、湿度50〜60%が理想。 -
“おやすみスイッチ”の儀式を作る
→ たとえば「白湯を一杯」「今日あった良いこと3つ書く」など、毎晩同じ行動で心を切り替えます。
これらは、どれも無理なく続けられる夜の習慣です。
🌸 翌朝のからだが変わる、眠りの整え方
質の良い睡眠は、翌日の気分・集中力・代謝すべてに影響します。
「寝ても疲れが抜けない」という方は、夜の過ごし方を少し変えるだけで、朝の目覚めが軽くなるかもしれません。
ハリステーションでは、身体のこわばりを緩める鍼灸を中心に、ご自宅でも続けられるセルフケアの方法をお伝えしています。
※施術やセルフケアの効果の感じ方には個人差があります。
🧘♀️ まとめ|夜に整えることは、明日を生きやすくすること
夜の養生とは、頑張り続ける自分を「静める時間」です。身体が休まると、心にも余白が生まれ、翌朝をやさしく迎えられます。
今日の夜は、照明を少し落として、深呼吸から始めてみましょう。
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🪷 まとめ
Q. 夜の養生とは何ですか?
A. 夜の養生とは、東洋医学でいう“陰”の時間に合わせて、からだを静める養生法です。照明を落とし、呼吸や体温を整えることで自律神経のバランスをととのえます。
Q. 夜に自律神経を整えるにはどうすればいい?
A. 深呼吸、ぬるめの入浴、軽いストレッチなど、副交感神経を優位にする行動がおすすめです。
🌙 著者プロフィール
廣木孝志(ひろきたかし)
恵比寿鍼灸院ハリステーション院長/はり師・きゅう師
個室・予約制の鍼灸院を運営し「鍼でゆるむ、話してなごむ」をコンセプトに施術とセルフケア指導を行います。
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