症例

捻挫・肉離れ・骨折は何週間で治る?回復期間の目安とリハビリの考え方

怪我の名称から回復期間を調べる

このページでは、臨床経験の中からよくある負傷「捻挫(靭帯損傷)」「肉離れ(筋損傷)」「骨折」について、回復期間の目安/回復プロセスの考え方/参考にした外部サイト(大学・学会・専門家の解説)をまとめました。

※あくまで「一般的な目安」です。実際の治療、復帰時期は、必ず主治医、担当療法士の指示を優先してください。


1. 捻挫(靭帯損傷)の回復期間/足関節捻挫の回復期間(北里大学)

参考サイト:北里大学「足首の捻挫 関節の安定化には最低2〜6週間かかる可能性」
👉 北里大学ニュースリリース(足関節捻挫)

北里大学の研究では、超音波検査で足首の靭帯の安定性を追跡。

  • 軽度損傷(靱帯に損傷はあるが断裂はない)
    → 約 2週間 で安定性が回復

  • 靭帯の部分断裂・完全断裂(Grade 2–3)
    → 約 6週間程度 で安定性が回復

という結果が示されています。

足関節捻挫のグレード別・目安

  • Grade 1〜2(軽度〜中等度の足関節捻挫)

    • 靭帯の構造的安定性が健側レベルに戻るまで:
      約 2〜6週

  • Grade 3(靭帯断裂レベルの足関節捻挫)

    • 2〜3週間前後の固定

    • その後リハビリを行いながら、
      おおよそ3ヶ月くらいまで 回復過程を見ていくこともある

Q. 捻挫はどのくらいで運動に復帰できますか?

  • 軽度の捻挫:早ければ 2〜3週間前後 で軽い運動に復帰できることもあります。

  • 靭帯断裂レベル:1〜3ヶ月 程度かけて、段階的に負荷を上げていくケースが一般的です。


2. 肉離れ(筋損傷)の回復期間/肉離れ全般の目安

  • 一般的な筋損傷(肉離れ)の回復期間の目安:
    約4〜8週間

重症度別の回復期間と目安

参考団体:日本臨床整形外科学会、日本臨床スポーツ医学会 など

  • ごく軽度(Grade 1:筋線維の微細損傷)

    • 数日〜 1〜3週 で日常生活・軽いスポーツに復帰できることもある。

    • 早期から痛みの出ない範囲でのストレッチや軽い運動を行うことが多い。

  • 中等度(Grade 2:部分断裂レベル)

    • 痛みを伴う動作は 最初2〜3週は制限

    • しっかりリハビリを行うと、
      4〜8週あたり でスポーツ復帰が検討されることが多い。

    • ハムストリングのランダム化比較試験(RCT)では、
      多くの介入群が 3〜7週(22〜49日)前後 で復帰している報告があります。
      (日本臨床スポーツ医学会誌など)

  • 重度(Grade 3:ほぼ筋断裂・手術も検討されるレベル)

    • 受傷部位や「腱をどのくらい巻き込んでいるか」によって大きく変動しますが、
      2〜3ヶ月以上 を見ておく必要があるケースもあります。

Q. 肉離れからスポーツに復帰するまでの期間は?

  • 軽症であれば:2〜4週間程度

  • 中等症:4〜8週間前後

  • 腱を巻き込んだ重症例:2〜3ヶ月以上 のリハビリが必要になる場合もあります。


3. 骨折の回復期間とリハビリ/骨折の回復期間の目安

  • 一般的な骨折の治癒期間の目安:
    約4〜6週間(骨のくっつき始め〜癒合期)

  • その後も、関節の動きや筋力を戻すために
    数ヶ月〜半年以上 のリハビリが必要になることがあります。

骨折の長期リハビリに関する研究

参考論文:「大腿骨近位部骨折後の長期的なリハビリテーションの継続は患者の身体機能を向上させる」
執筆:弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻
👉 日本理学療法士協会:大腿骨近位部骨折後の長期リハビリ継続について

この研究では、

  • 術後少なくとも6か月以上のリハビリを継続 することで、大腿骨近位部骨折の患者さんの身体機能が向上することが示されています。

骨折の治癒プロセスと期間

  1. 化骨形成期(約1ヶ月)骨折した部分がくっつき始め、新しい骨(仮骨)が形成される時期。

  2. 骨癒合期(約2〜3ヶ月)仮骨が徐々に強い骨へと作り替えられ、骨折部が「しっかりくっついた状態」に近づく時期。

  3. リモデリング期(さらに数ヶ月〜)骨の形や強度を整え、元の状態に近づけていく長期の時期。スポーツ復帰や重い作業への完全復帰は、この時期の経過によって大きく左右されます。

骨折の治癒期間に影響する主な要因

  • 骨折した部位/例:肋骨は約3週間、大腿骨は約8週間など、部位により大きく異なります。

  • 年齢/一般的に、子どものほうが大人より治癒が早い傾向があります。

  • 骨折の程度・治療方法/骨折のズレが大きい、粉砕している…などの場合は手術が必要なこともあり、治癒期間も長くなる傾向があります。

骨折を早く・きれいに治すために大切なこと

  • 安静と固定/不安定な状態が続くと、骨がくっつきにくくなるため、ギプスや固定具でしっかり固定し、安静を保つことが重要です。

  • バランスのよい食事/骨の回復にはカルシウム・ビタミンD・たんぱく質などの栄養が必要です。

  • 十分な睡眠と休養/睡眠中は、体を修復するホルモンが多く分泌されます。

  • 喫煙を避ける/過度な喫煙は血流を悪くし、骨の治癒を妨げる可能性があります。

  • 専門家への相談/場合によっては、骨折治癒を促進する超音波骨折治療器などが提案されることもあります(詳細は主治医・担当療法士に相談してください)

Q. 骨折は「何週間で完治した」と考えればいいですか?

  • レントゲン上の骨癒合だけで見ると 4〜12週間 程度が一つの目安です。

  • ただし「元のように動かせる」「スポーツに復帰できる」という意味での“回復”には、
    数ヶ月〜半年以上 かかる場合もあります。


4. ご利用時のお願い(免責的な一文例)

※ここで紹介している期間はあくまで研究・統計に基づく「一般的な目安」です。
年齢・体質・怪我の程度・既往歴などによって回復のスピードは大きく異なります。
実際の治療・復帰時期については、必ず担当の医師・理学療法士・トレーナーにご相談ください。

廣木 孝志

2022年11月恵比寿No.1の癒せる鍼灸院を開業/各業界のトップクラスから信頼される鍼灸師。セルフケアに力を入れた健康のヒントを投稿。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA