ノート

変形性股関節症

変形性股関節症

※女性の患者さんの腋窩、股関節への施術は誤解されますので注意してください。股関節周辺。治療では重要なところ、事前の十分な説明が必要。

◎病態把握

・ヘルニア、すべり症から股関節にくる。

・人工関節は腰にくる。歩き方をみる。

股関節は独立した病気をもつ場所。筋肉が多いのに骨折しやすい。どんな構造かを考えて治療しないといけない。

・上から体重が乗ると酸素が行き届かなくなる。血流を良くするイメージで治療する。

・股関節では、神経圧迫にともない徐々に筋力低下が起こり腰が支えられなくなる。股関節より先に前側の大腿神経、後ろ側の坐骨神経がやられてしまう。

腰→股関節→膝への関連痛。★膝の治療も大切になる。

◎西洋医学的知識

・関節軟骨の磨耗など退行性変化と、骨棘の形成など増殖性変化を特徴とする。

・ストレス→QOLが下がる、重い場所に意識がいく→血流が滞る。

・加齢。骨粗しょう症。膝の疾患の影響。肥満した人に多い。

・一次性変形性関節症:原因不明、老化、力学的ストレスで発症。

・二次性変形性関節症:関節の外傷、形態異常、疾患、代謝異常など明らかな原因を有するものに続発。

一次性<二次性。二次性の基礎疾患は女性に多い(先天性、亜脱臼、臼蓋性形成不全、化膿性股関節炎、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など)

◎症状

・股関節周囲の筋力低下(老人)腰が曲がる。

初期の段階では運動開始時痛が特徴的。症状が進むと痛みは持続的になり、安静時痛や夜間痛も出現。痛みを避けようとする跛行がみられる。病状の進行により関節拘縮を起こしやすい。

・主に股関節の痛みだが、下腿、腰背、殿部も多く、坐骨神経に沿って大腿後面に痛みが生じるケースもある。★坐骨神経の走行に沿って痛みが生じることはほとんどない。

◎鑑別法 ヘルニア、坐骨神経痛との鑑別が大切。

・疼痛性の跛行もない場合、坐骨神経痛や腰椎椎間板ヘルニアなどの疾患との鑑別が重要(徒手検査)

・歩行が困難な場合は変形性股関節症だと判断してほぼ間違いはない。

・椎間板ヘルニアの場合は、痛みだけでなく、しびれを伴うケースが多いが、変形性股関節症はしびれを伴うケースはあまりない。

◎治療のポイント

・治療法、診断力、治す方法アドバイス、生きる力を与える。

腸年齢の低下、アミノ酸を吸収しない。食べ物から見直してもらう←患者に管理してもらう。

ビフィズス菌は結果がでるのに3日間、便の色を見てもらう(濃い→黄色味)

・環跳の鍼による治療★股関節を包んでいる筋肉を動かして血流を良くするイメージ。

・高齢者は無理に動かすと、骨が折れ、事故につながりかねないため、関節可動域には注意を払うこと。

◎治療内容

伏臥位》

・可動域の確認★患者が我慢できる範囲

膝を約90°屈曲させ股関節外旋内旋を行う。股関節が開かない人もいるので無理をしない(硬い人は出来る範囲で揺らすイメージ)

・腰部、志室、腸骨陵周辺。大殿筋をほぐす。

・環跳。萎縮してる筋肉は、揉んでも開かない。ゆっくり圧を入れると開く。上殿神経の場所、押す方向も意識する。

★ツボを使う。筋肉と神経が流れる。痛み、拘縮も鎮静化させる。

・殷門→委中→承山を指圧、アキレス腱をつまむ(腰〜膝裏と神経の伝達を良くする目的

・可動域を確認しながら外側に股関節を屈曲させ大転子周辺、大腿外側を指圧。

①股関節内のストレッチ

脚を伸ばし(戻して)殿部、大腿〜下腿を揉みほぐす。膝を約90°屈曲させ足首を回すことで膝もほぐす。

鍼》

・環跳 深く入れて響かせる。

・腰眼 単鍼

・仙骨の外側に沿って3〜4箇所、大転子に向かって打つ。★馬尾神経を狙って雀啄。

・殷門

・委陽

・承山

鍼を打ったところを指圧。アキレス腱をつまむ(点が線になるよう。神経の伝達を良くする

・股関節を屈曲させ、殿部と外側広筋を軽く揉みほぐす。

置鍼》

各所の症状に対しての経穴 約10分

・股関節→環跳

・腰背部→次髎、中髎

・下肢→足三里

・腰、大腿部→風市

仰臥位》

・鼡径部を母指で押し揉む。他4指の向きに注意★内側を触らない。大腿部のマッサージ。

・股関節可動域を確認。股関節を約90°屈曲させてから外旋内旋。膝で円を描くようにゆっくりと回す。その後、踵を払うように膝を伸展させる(老人は注意)

内転筋のアプローチ★骨頭がかたくなってグッグッと手に伝わる人は可動域注意

側臥位》

・首〜肩甲骨内縁。志室、腸骨陵、環跳の周囲。大転子後方を両手母指で揉みほぐす(殿筋は肘で押すも可)大腿、下腿を揉みほぐす。★股関節の血流を改善させる

・股関節を伸展させ足枕の上に乗せる。殿部、腸骨稜〜下腿を揉みほぐす★動いてない筋肉を動かす

◎本日の状態

・長時間座っていたために、股関節周りの筋肉が硬くなっていたようです。それにより、動き出しの場面で痛みがでた可能性があります。

しばらく歩いてると痛みが取れるように、イスに座ったままでも膝を上げるなど血流が良くなる運動を取り入れてみましょう。

・長年の立ち仕事で股関節に負荷がかかり続けて慢性的な炎症に進行したようです。痛みを避ける姿勢や歩き方で膝も痛めた可能性があります。

◎生活指導→改善策

毎日少しずつ股関節周りのストレッチをしていきましょう。

長時間、座るのであればクッションを入れるなど座面を柔らかくしてみて下さい。お手洗いや水分補給など度々、席を立つこともおすすめします。

痛みがある場合は症状を悪化させる可能性が高いので、できるだけ歩かずに安静にしていて下さい。

痛くない範囲であれば体幹が崩れない目的で全身の筋トレも大切です。

以上

廣木 孝志

2022年11月恵比寿No.1の癒せる鍼灸院を開業/各業界のトップクラスから信頼される鍼灸師。セルフケアに力を入れた健康のヒントを投稿。

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