五十肩の正しい治し方|本当の五十肩と自称五十肩を見極める鍼灸・整体アプローチ
「肩が上がらなくなった」「後ろに手が回せない」「夜中に肩が痛くて目が覚める」――こうした症状が出ると、多くの方が「五十肩かも」と感じます。しかし五十肩には「本当の五十肩」と「自称五十肩」があり、その違いによって回復にかかる時間も、必要なアプローチもまったく異なります。
当院では整形外科での診断歴を必ず確認し、本当の五十肩(肩関節周囲炎)か、筋肉の問題による可動域制限かを見極めたうえで施術方針を決定しています。
「本当の五十肩」と「自称五十肩」の違い
| 項目 | 本当の五十肩(肩関節周囲炎) | 自称五十肩(筋肉・筋膜の問題) |
|---|---|---|
| 診断 | 整形外科で「肩関節周囲炎」と診断 | 整形外科を受診していない、または「筋肉の問題」と言われた |
| 痛みの特徴 | 安静時・夜間にも痛む。じわじわした深い痛み | 動かしたときだけ痛む。特定の動作で引っかかる感じ |
| 可動域制限 | 全方向に制限。他動的にも動かない | ある方向だけ制限。ゆっくり動かすと動ける |
| 回復期間 | 1年〜1年半が目安 | 1〜数回の施術で大幅改善することも |
| 施術方針 | 炎症期を避け、段階的に可動域を広げる | 原因の筋肉を特定してほぐし、インナーマッスルを再活性化 |
60代女性役員・本当の五十肩の施術例
当院には以前から左腰痛で通院されていた60代の女性役員の方がいらっしゃいます。デスクワークと会議が多い生活で、ある日突然「肩こりが酷くて、腕を動かすと痛みが出るようになった」と訴えられました。
整形外科を受診したところ「五十肩(肩関節周囲炎)」と診断。痛み止めの注射を打ち、リハビリとして当院での施術を開始することになりました。
日々の食事・睡眠・運動は理想的な状態で、休日もきちんと休めている方でしたが、それでも五十肩は発症します。
施術内容は鍼を使わず、整体のみで対応。肩の動きに関わる筋肉を順序立ててほぐしていきました。「神経→関節→筋肉」の順番でアプローチし、抵抗運動を加えて肩に適切な負荷をかけます。施術前後には腕の高さを写真で記録し、可動域の変化を客観的に確認しました。
施術のポイントは大きな筋肉と小さな筋肉のバランス。五十肩ではインナーマッスルが弱って機能しなくなっていることが多く、大きな筋肉(三角筋・僧帽筋など)をしっかりほぐしながら、肩をゆっくり動かしてインナーマッスル(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)を再び使えるようにすることが重要です。
通院ペースと結果:2週間に1回、80分の施術を継続。6ヶ月後にはほぼ痛みが消え、後ろに手を回す動作が少し硬い程度まで回復されました。
五十肩の施術で使う主なツボ・アプローチ
| 部位・ツボ | 場所 | 効果 |
|---|---|---|
| 肩髃(けんぐう) | 肩を外転したときにできるくぼみ | 肩関節の痛み・可動域制限 |
| 肩髎(けんりょう) | 肩髃の後ろのくぼみ | 五十肩・肩の後方の痛み |
| 天宗(てんそう) | 肩甲骨の中央 | 肩甲骨の動きの改善・深部のこり |
| 条口(じょうこう) | 膝の外側から下腿中央 | 五十肩の特効穴・遠隔治療 |
| 曲池(きょくち) | 肘を曲げたときの外側のくぼみ | 腕・肩の痛みの緩和 |
| 外関(がいかん) | 手首の甲側から指3本分上 | 肩・腕の痛み・炎症の緩和 |
五十肩の3つのフェーズと施術の考え方
五十肩(肩関節周囲炎)には「炎症期→拘縮期→回復期」の3段階があります。フェーズによって施術の方針が変わります。
①炎症期(発症〜3ヶ月ごろ):夜間痛・安静時痛が強い時期。無理に動かすと悪化するため、遠隔のツボへの鍼や軽い整体を中心に炎症を抑えます。
②拘縮期(3ヶ月〜6ヶ月ごろ):痛みは落ち着いてきても関節が固まってくる時期。ここから積極的に可動域を広げる施術を行います。
③回復期(6ヶ月〜):関節の動きが徐々に戻ってくる時期。インナーマッスルの再活性化と姿勢改善を中心に、再発防止も意識した施術を行います。
肩甲骨を全方向に動かすセルフケア
太極拳の格言に「流れる水は澱まない、動く軸は腐らない」という言葉があります。五十肩の予防・回復には、肩甲骨と股関節を全方向に動かし続けることが大切です。
①肩甲骨を回す(10回ずつ前後):腕をだらりと下げ、肩甲骨だけを意識して大きくゆっくり回します。
②壁に手をついて腕を上げる練習:壁に指をつき、指を少しずつ上に這わせるように腕を上げていきます。痛みの出ない範囲で毎日少しずつ。
③タオルを使った後ろ回し:タオルを持って後ろで両手をつなぎ、上の手を少しずつ引き上げる。拘縮期の可動域回復に効果的です。
初めてご来院の流れ
①ご予約:お電話・LINE・Webにてご予約ください。整形外科を受診済みの方は診断名と処方内容をお伝えください。
②問診・可動域確認:腕の上がる角度・痛みの方向・夜間痛の有無などを確認。本当の五十肩か筋肉性の問題かを見極めます。
③施術:フェーズと原因に合わせて鍼・整体・お灸を組み合わせて施術します。初回約50〜60分。
④経過観察・ペース提案:急性期は週1〜2回、落ち着いたら2週に1回を目安にご提案します。
よくあるご質問
Q. 五十肩は放っておけば治りますか?
本当の五十肩は1〜1年半で自然回復することが多いですが、拘縮期に適切なケアをしないと関節が固まったまま残るケースもあります。早期から施術することで回復期間を短縮できます。
Q. 整形外科の注射と併用できますか?
はい、問題ありません。ヒアルロン酸や痛み止めの注射を受けながら並行して施術を受けることが可能です。注射後2〜3日は強い刺激を避ける場合があります。
Q. 「自称五十肩」の場合、何回で治りますか?
筋肉・筋膜の問題であれば1〜3回で大幅に可動域が改善するケースがあります。「整形外科で五十肩と言われたわけではないけれど腕が上がらない」という方はぜひご相談ください。
Q. 痛みがひどい炎症期でも来院できますか?
はい。炎症期は無理に動かさず、遠隔のツボや軽い手技で炎症を鎮めるアプローチを行います。痛みが強い時期でも安全に施術できます。
まとめ
五十肩は「本当の五十肩」か「筋肉の問題による可動域制限」かによって、対処法がまったく異なります。まずは整形外科での診断を受け、そのうえで鍼灸・整体を組み合わせることで、回復を大幅に早めることができます。
「もう何ヶ月も腕が上がらない」「夜の痛みで眠れない」という方も、正しいアプローチで必ず改善できます。恵比寿・鍼灸院ハリステーションでは、五十肩のフェーズに合わせた丁寧な施術を行っています。お気軽にご相談ください。





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