来院の理由
主訴は右のお尻〜太もも裏にかけての痛み(坐骨神経痛の症状)。仕事、私生活に影響が出て困っているとのことでした。
・受傷〜これまでの経過
2025年2月、筋トレ中のスクワットで腰〜お尻にかけて負傷。整形外科を受診し、痛み止めの処方と、鍼治療を含む通院を継続。経過の中で大きく改善した一方、「最後の10%」の違和感が残る状態が続いていました。
2025年9月、勤務先から通いやすい当院(恵比寿)を見つけ、来院されました。
・当院での見立て(評価)
触診と動作確認を行うと、主訴は右側に出ているものの、健側(左脚)の筋緊張が強いことが目立ちました。
整形外科での保険治療では、時間や制度上の制約もあり、局所(右下肢中心)の対応になりやすい状況と推測されました。
当院では「痛い場所だけ」ではなく、以下も含めて全体のバランスから治療を組み立てました。
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主訴、右大腿筋膜張筋〜股関節まわりの硬結、腰部の緊張を緩める。
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既往歴より:数年前に頭部へ強い衝撃を受けた事故歴あり → 頸肩部の緊張のケアも重要
・施術方針
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鍼灸+整体で、腰・股関節・下肢の連動を回復させる
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坐骨神経痛様の症状に関与しやすい部位(臀部〜ハムストリング)を中心に、必要に応じてパルス(鍼低周波療法)を併用
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頸肩の過緊張も同時に整え、回復を妨げる要因を減らす
・施術内容と経過、初回60分コース
①仰向け
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左:腹直筋
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右:胸鎖乳突筋
→ 鍼で緊張を緩め、骨盤と肋骨(体幹〜頸部)の引っ張りを調整。
②うつ伏せ
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腰部の緊張緩和
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坐骨神経走行に関連する部位、右ハムストリング
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外側広筋〜前脛骨筋の連動を意識してパルスを約10分
施術後の反応
ベッド上で長座前屈を確認すると、施術前に出ていた右ハムストリングの違和感が軽減。全体として反応は良好でした。
2回目、1カ月後/60分部分集中コース
来院時:右のお尻の下部に張りが残り、長座前屈で痛みが出る状態。
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股関節の調整を行うと動作は改善
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臀筋の過緊張が強かったため、状態に合わせたストレッチを共有
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腰部〜殿部へのパルス
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反応点として「風市」「陽陵泉」付近も含めて調整
施術後
動作痛が落ち着き、術後は良好な反応が得られました。
セルフケア(当院で共有した方向性)
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臀部・股関節まわりのストレッチ(やり過ぎない強度)
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長座前屈で痛みが出る日は、無理に伸ばさず「呼吸+軽い可動域づくり」を優先
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筋トレはフォーム確認を徹底し、スクワットは一時的に負荷調整
《ハリステーション内部リンク》
まとめ
坐骨神経痛様の症状は、痛みが出ている部位だけでなく、腰・股関節・下肢の連動や、反対側(健側)の過緊張が関与していることもあります。
当院では、局所への施術に加えて全体を整えることで、残りやすい違和感の軽減を狙いました。
※本記事は一例であり、症状や回復経過には個人差があります。しびれの急な増悪、筋力低下、排尿排便の異常などがある場合は速やかに医療機関へご相談ください。
参考:厚生労働省(eJIM)外部リンク
「鍼治療とは?」https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c02/01.html

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