職業病による腱鞘炎、指、手首の痛み

症例

指先を多用するご職業の方で、同じ職場の方でも発症する方としない方とありましたのでレポートしたいと思います。

「なんで、どうして、私だけ?」

敏感な手や指先の症状はとてもストレスかと思います。

そのストレスも痛みの要因になり、堂々巡りをしやすいのが腱鞘炎です。

当院では年齢も体格も考慮しますが、鍼灸治療のセオリーを土台に一人ひとりに合わせた治療を心がけました。

腱鞘炎レポート1,2

モデルケース1:手術する前の女性。痛みが辛いが仕事は辞めたくない。同僚に紹介を受けて来院。

モデルケース2:手術をした女性。発症して休業。早く職場に復帰したく腱鞘炎の手術を行う。術後ひと月以内だったが、痛みはまだ残っており以前、同僚から紹介されていた当院を受診。

来院に至るまでの症状と問診

モデル1の症状

約半年前に発症。飲み物のふたが開けられない、文字を書くとき、ドアノブを開けるとき、料理を作る際、包丁が持てない。

痛みが辛くて何もしたくない状態が続いた。

来院時は、寝ているときに痛みで起きるぐらい辛かった。

問診から施術へ

目的:痛みの発生源を特定してから、鍼を打って炎症反応を鎮静化、筋肉を緩めて可動域を回復させる。

日常生活の動作で痛みが再現できる動作をしてもらう。

押して痛いか炎症反応、各関節の可動域、筋肉の硬さを調べて患者様と共有。

施術方法

橈骨神経、正中神経、尺骨神経ラインに鍼通電。

肺経、大腸経、小腸経、心包経の筋肉の硬さを緩める。

タオルを握らせる、など細かな動作を確認。

施術後

30分から45分の施術を月2回のペースで行う。

途中9回目の施術後から劇的に症状が改善されたので、現在は通院ペースを月1回に落として様子をみている。

モデル2の症状

10ヵ月前に発症。片腕をかばって反対側の手まで痛くなり休業。

トレーナーによる腱鞘炎に良いパーソナルトレーニングを行う。

靴をはく、ズボンをはくなどの動作で痛みを強く感じる。

問診、過去の病歴と照らし合わせる

問診の際、性別と年齢はいくらか目安になることがある。

腱鞘炎、関節炎などは女性ホルモンの低下でも起こることがあり、過去の病歴も参考になるので必ず伺う。

施術方法が決まるが、鍼の響きが苦手ということで、緊張させてしまった。

手先、足先、唇などは感覚が鋭いので少しの痛みでも脳に多大なストレスを与える。

たとえ痛くなくとも幻肢痛のような痛みを覚えてしまうこともあり、症状が発症してから早期の受診が大切ということを改めて実感したモデルさんでした。

施術方法、鍼の刺激が苦手

鍼でなければお灸でつなぎ、レッドダッドのような低周波なども活用した。

余談ですが、整骨院だとハイボルテージなどの高周波(奥まで届く)治療ができる器具があれば数回の施術で良い結果が出たかもしれません。

施術後

両方の親指が痛かったがリハビリが上手くいっている方の痛みが減ってきた。

現在、3回目の施術が終わり、自宅でもリハビリを頑張ってもらっています。

まとめ

年齢は違えど、たまたま当院では同じご職業の方を3人診ておりますが、腱鞘炎が出る方と出ない方といます。

痛みを再現しもらう際に体の使い方をみる。

指が痛むとして、指を使う前の立ち姿、背中の曲げ方、肩の位置、肘の角度、手首の使い方などを確認します。

大抵、バランスが良くないのですが、患者様本人は無自覚の方が多いです。

まっすぐな人間はなかなかいませんが、痛みを庇って変な姿勢でいる方が多いです。

同じ職業でも、腱鞘炎を発症しない方は、姿勢とホルモンバランスが良い傾向になると思います。

ストレスはどの方にもあるでしょうが、しっかりと発散できる手段があると良いですね。

痛み自体を緩和することは2~3回の施術でも可能ですが、痛みを生み出す環境や行動に関しては癖ですので再発するようでしたら、癖を自覚させてからのリハビリが必要。

ただし

自宅でリハビリを頑張れそうな方なら良いのですが、何かしらの理由で自宅でリハビリが難しい場合は通院回数をしっかりと提案して通ってもらうことが痛みを改善されるためには大切なことだと考えます。

腱鞘炎は軽いものもあれば、重症化する症状でもありますので、発症したらほっておかず、お近くの病院、又は鍼灸院へ相談してみてください!

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