「夏なのに、足だけずっと冷たい」。上半身は汗ばむのに、足首から先は氷のよう。オフィスの冷房は自分で調整できず、夏の間中、カーディガンとひざ掛けが手放せない——こうしたご相談を、この時期はよく受けます。
夏の足の冷えは、なぜ起きて、どうすれば楽になるのかをお伝えします。
夏の冷えは「自覚しにくい」から進みます
冬の冷えは誰でも「寒い」と分かるので、厚着をして湯船に浸かる。ところが夏は「暑い季節に冷えているはずがない」と思い込みがちです。その裏で、体は三方向から冷やされています。冷房で体の表面が冷え、かいた汗が乾くときにさらに熱を奪われ、冷たい飲み物で内側からも冷える。夏こそ、冷えが静かに深くなる季節です。
靴下やカーディガンで温まらない理由
対策しているのに温まらない、という方がとても多いです。これには理由があります。靴下やひざ掛けは「保温」の道具であって、「発熱」の道具ではないからです。すでに冷えて巡りが落ちた足を外から包んでも、温める材料そのものが届いていなければ、温まりようがありません。「着込んでいるのに冷える」のは、あなたのせいではなく、対策の種類が足りていないだけです。
東洋医学から見た「夏の冷え」
東洋医学では、冷えを「体を温める力(陽気)の不足」と「気血の巡りの滞り」の両面からみます。足先は心臓からいちばん遠く、巡りが落ちれば真っ先に冷える場所です。しかも夏は汗を多くかくことで「気」を消耗しやすく、温める力そのものが弱りやすい季節です。だから夏の冷えは「冷やされている」だけでなく「温める力が落ちている」状態。外から包むだけでは足りないのは、当然のことなんです。
自分でできる夏の冷え対策
- 足首を覆う:内くるぶしの上あたりには三陰交という冷えの要所があります。ここまで覆えるレッグウォーマーやソックスを選ぶと、足元の心地よさが変わります。
▶ 足首まで温まるソックス(楽天市場) - 火を使わないお灸で温める:三陰交にそっと1枚。煙もにおいも出ないタイプなら、オフィスや夜でも気軽に使えます。
▶ せんねん灸 太陽 火を使わないお灸(楽天市場)/お灸の使い方はこちらで詳しく - 冷たい飲み物を控え、常温か温かいものを選ぶ
- シャワーで済ませず、ぬるめの湯船につかる
- 冷房の風が直接足に当たらないよう、ひざ掛けを一枚
それでも足の冷えが取れない方へ
セルフケアで追いつかないほど冷えが根強いときは、巡りのスイッチが入りにくくなっていることがあります。当院では、お腹や腰、足のツボにお灸や鍼で働きかけ、体が自分で温まる方向へ促していきます。「施術後、足の裏がポカポカしてきた」と言われるのは、外から温めたからではなく、巡りが戻ってくるからです。
こんな場合は医療機関へ
片足だけが極端に冷たい・色が変わる、しびれや痛みを伴う、といった場合は、血管の問題が隠れていることもあります。左右差の強い冷えは、一度医療機関でご相談ください。
よくあるご質問
Q. 夏でもお灸をして大丈夫ですか?
はい。むしろ夏の冷えにはお灸が向いています。暑い時期は、火を使わないタイプが手軽です。
Q. どのくらいで変化を感じますか?
冷えの強さによりますが、まずは2週間、足首を温める習慣を続けてみてください。
まとめ
夏の足の冷えは「暑い季節の思い込み」で見逃されがちですが、体は静かに冷えています。まずは足首を温めること。それでも追いつかない冷えは、巡りそのものを整えていきましょう。
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