幼少期から片頭痛があり、30代を超えてからは「月に20日は辛い」という状態が続いていた40代男性の症例です。予防薬と発作時の薬を使いながらも抑えきれず、ご紹介でご来院されました。
ご来院時の状態(2026年3月)
- 40代・男性・会社員
- 幼少期からの片頭痛。2日に1回、とくに朝がつらい
- 痛むときは左側に涙が出る。日中の食いしばりあり(歯の矯正で受け口を治してから、やや軽くなった)
- 2025年4月にタクシーのドアで左足首が挟まれる事故あり。その後、腰と首も痛むようになった(腰椎はヘルニア気味との診断でリハビリ中)
- 病院で予防の注射・予防薬・発作時の薬を処方され、通院を継続
- 既往に左小脳梗塞(現在は状態が安定)。飲酒は中止されている
頭痛に脳血管疾患の既往が重なる場合、鍼灸は医療機関での治療と並行して行うことが前提になります。当院でも、通院と服薬を続けていただいたうえで施術しています。
東洋医学的な見立て
初診時、舌は赤みが強く、脈は左側が弱い状態でした。そして触診で目立ったのがお腹の冷えです。
頭痛の方の多くは、首肩の緊張に意識が向きます。ただこの方の場合、胃腸が冷えて働きが落ちていることが、疲れの抜けにくさや朝のつらさの背景にあると考えました。東洋医学では胃腸(脾胃)を気血を生み出す土台とみるため、ここを温めることを施術の柱にしました。
施術内容
毎回、お腹に置鍼とお灸(または赤外線)を行い、足三里・太衝などを併用。うつ伏せでは後頭下筋・天柱、肩甲骨の内縁、脊際にパルス(低周波)をあて、腰と下肢もあわせて整えました。食いしばりに対しては、側頭部・下顎・胸鎖乳突筋にもアプローチしています。
ご希望が強かった骨盤の矯正も、経過に応じて取り入れました。
経過
- 2回目:施術後2〜3日は調子が良かったが、深夜の会議が続いて崩れ、薬を服用
- 3回目:ご自身で冷たい飲み物を減らしたところ、楽になってきたとのこと。あわせて就寝時間を深夜2時から0時に変更。朝の腰の重さが軽くなったと話される
- 4回目:頭痛薬を飲む回数が減った。冷たいものを控える習慣が続いている
- 6回目:夜に散歩をするようになり、腰の痛みも頭痛も減ってきた。事故のあとの不調も楽になってきたと話される
- 7回目(今回):繁忙期が重なって眠れず、運動もできない時期。左肩と首、毎朝の頭痛が戻っていた。お腹も冷えていたため置鍼と赤外線で温め、首肩・天宗・脊際にパルス。施術後は左を向けるようになった
この方の経過で印象的なのは、体調が生活とはっきり連動していることです。冷たいものを控え、睡眠時間を確保できていた時期は薬が減り、忙しさで両方が崩れると戻る。施術だけで完結せず、ご自身の工夫が積み重なった結果だと考えています。
同じ悩みのある方へ
頭痛が続くとき、首肩だけでなくお腹が冷えていないかを確かめてみてください。冷たい飲み物を常温に替える、寝る時間を1〜2時間早める——この2つだけでも変化を感じる方がいます。膝の外側の下にある足三里にお灸をするのも、胃腸を助ける方法のひとつです。
なお、今までと様子の違う強い頭痛、手足の麻痺やしゃべりにくさを伴う場合、脳血管疾患の既往がある場合は、まず医療機関へご相談ください。鍼灸は、検査と治療を受けたうえで併用するものとお考えください。
恵比寿鍼灸院ハリステーションでは、完全個室でお一人ずつ施術しています。初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態を確認してから施術します。ご予約・ご相談はLINEまたはWEBから承っております。


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