「腕を上げると肩が痛い」「夜うずいて眠りにくい」「服の着脱がつらい」——この症状で四十肩(五十肩)を疑うことがあります。
この記事では「経過の目安」「セルフケア」「間違えやすい疾患」「鍼灸でできること」を分かりやすくまとめます。ただし、ぶつけた、転んだなどの外傷後、強いしびれ、突然の激痛がある場合は、整形外科での評価もおすすめします。
参考:日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html
四十肩ってなに?
四十肩(五十肩)は、肩関節まわりの炎症やこわばりが関与して、痛みと動かしづらさが出やすい状態の総称として使われることが多い言葉です。腕を上げる、後ろに回す動きで痛みが出たり、夜間痛が強くなったりすることがあります。
なお肩の痛みは“四十肩っぽい”別の原因でも起こるため、自己判断で強いストレッチを続けると長引くこともあります。
四十肩の経過は「急性期(炎症期)→拘縮期(慢性期)→回復期」
四十肩(五十肩)は、一般的に次の流れで変化すると言われます。
急性期(炎症期)→拘縮期(慢性期)→回復期
- 急性期(炎症期):ズキッと痛む/夜うずく/動かすと痛い
→ この時期は「無理に伸ばす」「痛みを我慢して動かす」が逆効果になりやすいので、悪化させない工夫(温める、寝方の工夫で負担軽減)を優先します。 - 拘縮期(慢性期):痛みは波がありつつ、固まり感(動かしづらさ)が目立つ。
→ 強いストレッチより、痛みが増えない範囲で“軽く動かす”ことがポイントです。 - 回復期:少しずつ動く範囲が戻ってくる
→ 動きのクセを整えながら、日常動作をラクにする方向へ。焦らず積み重ねが大切です。
※経過や期間には個人差があります。数ヶ月で落ち着く方もいれば、年単位でゆっくり変化する方もいます。
症例紹介:右肩の痛み(四十肩の可能性と言われたケース)
30代女性/広告代理店勤務(在宅勤務多め)
2024年5月、頭痛、背中の緊張、吐き気など自律神経症状が気になり紹介で来院。左肩の痛みは元々あり、整形外科で四十肩と説明を受けていたとのこと。
初期は月1〜2回、計3回の通院で鍼灸、整体、鍼通電を行い、自律神経症状と左肩の不調は落ち着きました。その後はPMSケア中心となり、来院は月1回〜数ヶ月に1回のペースに。
2025年6月頃から右肩に違和感(ストレッチ時に自覚)。10月の来院時に「着替えるときに痛む」「腰に手を回すと痛む」と主訴として共有。整形外科では「四十肩の可能性」と説明され、経過観察となっていたとのこと。
当院では肩だけに集中せず、首、肩甲骨まわりや体の緊張バランスも含めて鍼灸、整体、鍼通電を実施し、日常動作が楽に感じる場面が増えたそうです。
2026年1月4日、右肩痛が再発。外転90°付近、前方挙上135°付近、腰に手を回す動作で痛み。施術後は外転時痛みが残るものの、腰に手を回す動作は改善し、可動域もやや改善。無理のないセルフケアの方向性を共有しました。
四十肩、セルフケア(時期別のコツ)
セルフケアは「急性期(炎症期)」「拘縮期(慢性期)」「回復期」で優先順位が変わります。痛みが増えない範囲をルールに進めましょう。
急性期(炎症期):安静
- 温め:入浴や温熱で“楽になる範囲”まで温めてください。
- 寝方:痛い肩を下にしない/クッションで腕を支える(隙間を埋める)
- 仕事:肘を浮かせず支える(肘置き、クッション)/猫背固定を避ける。
拘縮期(慢性期):軽く動かして肩をほぐすイメージ
- 痛みが増えない範囲で、振り子運動のような“ゆらす”動き/最後に太極拳体操あり。
- 肩甲骨を寄せる、下げる方向を小さく(呼吸とセット)
※やった後に痛みが増えるならやり過ぎです。休みましょう。
回復期:動きを“戻す・整える”+再発予防
痛みが落ち着き、日常動作が少しずつ楽になってくる時期です。ここでは「可動域を広げる」ことよりも、肩が固まらない使い方を身につけるイメージが大切です。
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目安:動かしても痛みが強くならない/翌日に痛みが残りにくい
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やること①:動かす範囲を少しずつ広げる(痛み0〜2/10の範囲)
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腕を上げる動きは“ゆっくり、小さく”から
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反動をつけない(勢いで上げない)
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やること②:肩甲骨と胸郭(肋骨)を動かす(呼吸とセット)
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吸う:胸が広がる/吐く:肩がストンと落ちる
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肩だけで上げず、背中側も一緒に動く感覚を作る
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やること③:再発を防ぐ日常のコツ(在宅ワーク向け)
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肘を浮かせない/マウスを遠くに置かない
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肩をすくめてストン(力を抜く)+深呼吸
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注意:運動後に痛みが増える、夜間痛が戻る場合は負荷を下げる(やり過ぎのサイン)
※「痛みが出ない=やり放題」ではありません。翌日に残らない範囲を基準に進めましょう。
四十肩だと思ったら違った!四十肩と間違えやすい疾患!?
次のようなサインがある場合は、四十肩以外の可能性も考えて医療機関での評価をおすすめします。
- 腱板断裂:外傷後/力が入らない、腕が上がらず落ちる感じ
- 石灰沈着性腱板炎:突然の激痛、夜眠れないほどの痛み
- 頚椎由来:しびれが強い、手指まで症状が広がる
- インピンジメント症候群/滑液包炎:特定の角度で鋭く痛む、使い方で増悪
「四十肩だから我慢」ではなく、必要なときに必要な検査を受けると安心です。
四十肩に鍼灸ができること(ハリステーションの方針)
参考:厚生労働省eJIM(統合医療情報発信サイト)
https://www.ejim.mhlw.go.jp/
鍼灸は、痛みや緊張の調整、動かしやすさのサポートとして役立つ可能性が報告されています(※感じ方、経過には個人差があります)
当院では肩だけでなく、肩甲骨、横隔膜(呼吸)、姿勢(在宅ワーク)まで含めて負担の原因を探り、時期に合った刺激量で整えます。自己流で頑張りすぎるより、状態に合わせて「刺激量」と「動かし方」を調整することで、悪化を防ぎやすくなります。
予約の目安(迷ったらここ)
夜間痛で眠れない/服の着脱がつらい/セルフケアで悪化する/1〜2週間たっても改善の兆しがない…この場合は早めに状態整理がおすすめです。
ご予約時は「痛い動き(例:外転90°)」だけメモしてお伝えください。
内部リンク
四十肩・関節の痛みでお悩みの方へhttps://hari-station.com/joint-pain/
太極拳「八段錦」無理のない肩周辺の体操https://hari-station.com/shinkyou/selfcare/
ハリステーション/通院のタイミングと目安https://hari-station.com/shinkyou/flow_after_treatment/
ハリステーションweb予約/「おすすめは60分部分集中コース」


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