症例

顎関節症※鍼灸師向けの内容


結論】翳風、顴髎、筋硬結と顔面神経へのアプローチ。肩甲骨可動域改善にて、顎の痛み、寛解。
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20代男性、デスクワーク

既往歴》学生時代、頚椎にダメージ。右野球肘のため鍼治療を受けていた。

主訴》一昨日、朝起きて左顎に圧痛。食事の際、猛烈に痛みが出る。数日経っても回復せず来院。

治療》局所的なアプローチとして、硬結を狙って咬筋、側頭筋に単鍼。1番寸6。

痛みのレベルps10→4。痛みが少し和らぐ。

神経系のアプローチとして、左翳風、顴髎に置鍼。赤外線で7〜8分あたためる。

置鍼後、PS4以下。

仰臥位のまま、左右の肩甲骨の可動域改善、首肩こりをアプローチ。

左顎、ほぼ痛みなし。

30代 男性 エンジニア

主訴》口が開けづらい。右顔の腫れと強張りが続く。右瞼の痙攣。普段は首の疲れと手の痺れで通院。

1週間前に右奥歯にインプラントを入れた。口の開きは指2本程度、下関あたりに硬結。腫れは引いてきている。熱感は無し。右瞼は疲れてると痙攣する。

インプラント後の腫脹。咬筋の疲労からくる開閉障害。

治療プラン》耳下腺、顎下腺、舌下腺ラインのマッサージと鍼による咬筋の筋緊張改善と血流改善を目指す。

伏臥位にて首回り、肩周り、大椎周辺の硬結に単鍼。姿勢改善と背部、肩周りの血流改善をイメージして、肺兪、膏肓、三角筋に単鍼。上大椎に置鍼。

側臥位で、けんりょう、下関、上関、側頭筋に単鍼と、下顎骨に沿ってマッサージ。

右巻肩のため、肩甲骨内縁をしっかりとほぐす。

仰臥位にて、頚椎から上腕二頭筋と肘周りのマッサージ。顎の抵抗運動。

その後、週一で2回の通院があり、下関周りの強張り腫脹は改善。開閉時もスムーズになった。

30代 女性 デスクワーク

主訴》口が開きづらい。鼻筋が右に曲がっている。開閉時の痛みはなし。

睡眠中と仕事中に食いしばりあり。左は数年前、親知らずを抜いている。右で咀嚼。口の開きは指一本半程度。

無意識に左を庇い、右で食事をする。食いしばりによる咬筋の疲労による開閉障害。

治療プラン》顎周りの血流改善。首肩周りの硬さの改善を目指す。

側臥位で、顴髎、下関、上関に単鍼と、下顎骨に沿ってマッサージ。

仰臥位にて、頚椎と僧帽筋上部のマッサージ、顎の抵抗運動。

週一で通院。口の開きは小さいが開けることの抵抗は緩和されてきている。

40代 男性 自営業

主訴》口を大きく開く時、右の顎がガクッとなるのが気になる。

痛みはなし。左右差で右が開ききっていない。食いしばりあり。日中の食いしばりはなるべく噛まないように意識している。食事中は右で噛むことが多い。

受け口。咀嚼の習慣による右顎関節の前方変異による開口時の障害。咬筋、側頭筋の強張り。

顎関節の抵抗運動から開閉時の引っかかり改善を意識して施術。

側臥位にて、こめかみから下顎骨のラインを指圧。下関は雀啄で響かせた。きょう、顴髎に単鍼。側頭筋のマッサージで強張りにアプローチ。

仰臥位にて、頚椎の緊張、肩こりの施術。上腕二頭筋の硬さを共有。

施術中、最初は圧痛があったが次第に心地よくなっていった。

術後、開閉時の左右差は少し改善していた。まだ、かくっとするが、首肩周りのこりが緩和されて、特に腕の疲れは自覚がなかった分、術後の感じは良かった。

咀嚼の習慣と巻肩を意識してもらい、次回の治療に繋げた。

廣木 孝志

2022年11月恵比寿No.1の癒せる鍼灸院を開業/各業界のトップクラスから信頼される鍼灸師。セルフケアに力を入れた健康のヒントを投稿。

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