夜中に携帯が鳴るかもしれない。鳴らないかもしれない。そういう日が続いている方がいます。
在宅で働いていて、システムに何かあれば連絡が入る。連絡が入れば、その時間から仕事が始まる。何もなければ何も起きない。問題は、その「何もない時間」に体が休めているかどうかです。
眠れない人向けのアドバイスが、ひとつも当てはまらないことがあります
眠りが浅いと相談したとき、たいてい先に確認されることがあります。
- コーヒーやエナジードリンクを遅い時間に飲んでいないか
- 運動不足ではないか
- 強いストレスを抱えていないか
ところが、この3つがどれも当てはまらない方がいます。カフェインは一切とっていない。自転車で下半身はよく動かしている。風邪もめったにひかず、気持ちが落ち込むタイプでもない。それでも3時間ほどで目が覚めてしまう。
こうなると、ご本人も打つ手がなくなります。言われることは、全部やっているからです。
休んでいるのではなく、待機している
当院がこうした方をみるときに考えるのは、眠りそのものの問題ではなく、体が「オフ」に戻れていないのではないかということです。
呼び出しがあるかもしれない状態は、鳴っていない間もずっと薄く身構えています。ご本人の意識では「今は休んでいる」つもりでも、体のほうは持ち場を離れていない。眠りが浅いのは、その結果として起きていることかもしれないと考えています。
首や肩がこる、ときどき腰が痛くなる、というのも同じ流れでみています。身構えた姿勢が長時間続けば、上半身は固まります。
東洋医学からみると、力が足りていない
実際に脈をみると、弱く、そして遅いことがあります。
東洋医学では、脈の速さと力から体の状態を読みます。遅い脈は、体が冷えているときのサインと考えます。そこに力の弱さが重なっているとき、当院は「内側が冷えて、体を動かす力そのものが落ちている」とみています。
胃が冷えているというのは、体の内側で熱をつくる場所が働けていない状態を指します。外から見て元気そうな方ほど、ここが冷えていることがあります。体調を崩さない、気持ちも折れない。だからこそ、限界まで動けてしまいます。
※これは東洋医学の考え方に基づく当院の見立てであり、眠りの浅さの原因を特定したものではありません。
食事が全部「外」になっていませんか
胃の冷えにつながる道筋として、当院がよく確認するのが食事です。
忙しい時期が続くと、まず自炊が消えます。外食、会食、デリバリー。どれも悪いものではありませんが、共通して減っていくのが、温かい汁物です。体の内側を温める機会が、食卓から静かに抜けていきます。
お風呂も同じです。シャワーだけで済ませる日が続くと、体を芯から温める時間が一日のどこにもなくなります。下半身をよく動かしている方でも内側が冷えていることがあるのは、このためだと考えています。
当院のアプローチ
この状態のとき、当院は首や肩からは入りません。仰向けになっていただいて、お腹から始めます。
- 仰向け/みぞおちとおへその中間(中脘)から。あわせて頭のてっぺん(百会)、腕(曲池)、すねの外側(足三里)へ。冷えて落ちている力を、内側から立て直すことを目的にしています
- うつ伏せ/首の付け根(天柱・風池・大椎)と、肩甲骨の内側(膏肓)。さらに腰(腎兪・志室)とお尻(環跳)まで。自転車などで下半身を使っている方は、脚の裏側が張り詰めていることがよくあります
- 横向き/片方の肩が前に入り込んでいる場合は、最後に胸の前(中府・雲門)へ。身構えた姿勢は、肩を前に巻き込ませます
この順番には理由があります。上だけをゆるめても、待機している状態そのものは変わらないと考えているためです。
また、施術の時間そのものを「連絡が入らない時間」として使っていただくこともできます。当院は1回90分・1日3名までの完全予約制の個室で、ほかの方とすれ違うことはありません。
鍼が初めての方へ
この記事を読んでいる方の中には、鍼を受けたことがない方もいると思います。
初めて受けられた方から、「余韻がすごい」という言い方をされることがあります。痛みではなく、施術が終わったあともしばらく体の感覚が残る、という意味です。長く張り詰めていた方ほど、この感じ方が強く出ることがあります。
そのため初回は刺激量を控えめにし、その日の体の状態をみながら決めていきます。予定を詰め込んでいない日にお越しいただくほうが、体は受け取りやすいと考えています。
湯船に入れない日でも、できること
- お腹に手を当てて3分。みぞおちとおへその中間(中脘)のあたりです。押す必要はありません。冷たく感じるかどうかを確かめるだけで十分です
- 温かい汁物を1日1回。具は何でもかまいません。インスタントでも、無いよりずっといいです
- 湯船が無理な日は、シャワーを足首と腰に長めに当てる
こんな場合は医療機関へ
- いびきが強い、日中に強い眠気がある(睡眠時無呼吸の可能性があります)
- 気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続いている
- 動悸や息苦しさをともなう
- 体重が短期間で大きく減った
繰り返さないための視点
この働き方をしている限り、呼び出しそのものは無くなりません。だからこそ、戻ってこられる体力を残しておけるかどうかが分かれ目になります。
当院が首や肩の相談でも胃腸や体質を一緒にみているのは、この考え方によるものです。詳しくは繰り返す痛みと胃腸の関係をご覧ください。
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ご相談ください
「やることは全部やっているのに戻らない」という状態は、まわりから見えにくく、説明もしづらいものです。恵比寿の鍼灸院ハリステーションは完全個室・1回90分の予約制です。




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