患者さま:50代・女性
経過のあらまし
この方は2023年の初めに、新型コロナ感染のあと味を感じにくくなり、当院で施術を重ねながら回復された経験があります。その後、2025年の春に強いストレスをきっかけに味覚の不調が再発。以来、定期的に施術を続けてこられました。
再発時の状態
食事のとき、食感だけは感じるのに味がしない状態。はっきりした味のものは分かる一方、チーズのような繊細な味はまだ感じにくく、「食感しかしない」ことが大きなストレスになっていました。
東洋医学的な見立て
東洋医学では「脾は口に通じ、味を知る」と考えられており、味覚の不調は胃腸(脾胃)の働きと関係が深いとされています。この方はお腹の冷えに加え、ストレスによる気の巡りの滞りがみられたため、胃腸を温めつつ巡りを整える方針としました。あわせて、首まわりの歪みと耳の後ろの緊張にも着目しました。
施術内容
耳の後ろにある翳風(えいふう)というツボへの鍼、首の歪みの調整、お灸でお腹をしっかり温める施術を行いました。鍼の刺激に敏感な方なので、刺激量はごく軽めに調整しています。
現在の経過
施術を重ねて、ご本人の感覚では味覚はおよそ9割まで戻ってきているとのこと。ある回の施術後には「そのあとのランチで味を感じた」というご報告もいただきました。残る違和感の解消と、安定した状態の維持を目指して経過をみています。
同じ悩みの方へ
味覚の不調は、感染症のあと・ストレス・亜鉛不足・お薬の影響など原因がさまざまです。長引く場合はまず耳鼻咽喉科などで検査を受けてください。そのうえで「検査では異常がないのに味が戻らない」という方は、胃腸を整え、ストレスによる巡りの滞りをゆるめる東洋医学的なアプローチが選択肢になります。焦らず、体全体を整えながら経過をみることが回復への近道です。
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味覚は顔面神経の働きとも関わりが深いとされています。今回の施術でも用いた耳の後ろのツボ・翳風については、こちらの記事でも解説しています:顔面神経麻痺(ベル麻痺、ハント症候群)に鍼灸【鍼灸師監修】




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