症例

走る人・山を歩く人の足底筋膜炎|休めない時期をどう乗り切ったか【症例】

足底筋膜炎というと「立ち仕事の人の症状」と思われがちですが、走る人・山を歩く人にも起こります。原因も、対処も少し違います。

ご来院時の状態

  • 40代・女性(ランニングと登山が習慣。この時期は月2〜4回の山行)
  • 右足の裏に痛み。医療機関で足底筋膜炎と診断されていた
  • ふくらはぎとハムストリングの張りが強い
  • 山行の予定は詰まっており、休むという選択肢がない

立ち仕事の足底とは、負担のかかり方が違う

立ち仕事の場合は「同じ姿勢で体重を支え続ける」負担です。一方、走る・山を下りるときは「一歩ごとに衝撃を受け止める」負担になります。

足の裏の膜は、着地のたびに引き伸ばされます。それが数千歩、数万歩と続く。ふくらはぎが硬いと、この膜への引っぱりがさらに強くなります——ふくらはぎとかかとは、同じ組織でつながっているからです。

だから足の裏だけをほぐしても、戻ります。引っぱっている側を緩めないと、根本が変わりません。

施術内容

足の裏そのものへの施術に加えて、ふくらはぎ・ハムストリング・お尻まで一続きに緩めました。足首の動きも整えています。あわせて背中にはお灸を使い、全身の疲労を抜くことも同時に行いました。

足裏、踵の真ん中(足裏屈筋群の付着部)、足の後方、足首らへん(アキレス腱の付着部)、ふくらはぎ、膝裏、ももうら、股関節までを緩めておくと予後が良いです。

この方は山行を止められない状況だったので、「休ませる」のではなく「回復が間に合うようにする」方針をとりました。

経過

痛みが出るときは3日に1回の来院を促し、生活に支障が無ければひと月に1回の施術を行いました。その後、足底の訴えは徐々になくなり、山行も続けられています。数か月後には別の部位(膝の上)に疲れが出ましたが、足の裏に症状がでることはありませんでした。

今回は「休めば治る」を選べない方への対処です。本来は負荷を落とすのがいちばん確実で、痛みが強い時期は無理をしないほうがいい。そのうえで、続けたい方の体をどう保つかという話でした。

走る・歩く方へのセルフケア

  • 朝起きて足をつく前に、足首を回す:起床直後の一歩目が痛い方は、布団の中で足首を10回まわしてから立つと違います
  • ふくらはぎを伸ばす:足裏ではなく、ふくらはぎ。壁に手をついて20秒×3回
  • 土踏まずを親指で押す:強く揉まず、痛気持ちいい程度で
  • 靴の履き替え:同じ靴を毎回使うと、同じ場所に同じ負担がかかります

なお、痛みが強くなる、腫れる、かかとを地面につけられないといった場合は、整形外科でご相談ください。疲労骨折など別の状態のこともあります。診断を受けたうえで、鍼灸を併用するのが安心です。

恵比寿鍼灸院ハリステーションでは、完全個室でお一人ずつ施術しています。ご予約・ご相談はLINEまたはWEBから承っております。

廣木 孝志

廣木 孝志

2022年11月、恵比寿で個室鍼灸院を開業/痛みの緩和、全身調整が得意/セルフケア提案とコンディショニングを大切にしています。

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