症例:営業職Sさん(20代・女性)の太もも裏のしびれ
営業職として働くSさん(20代・女性)は、出張が多く、休日はゴルフや筋トレを楽しむアクティブな方です。3ヵ月かけて体重を整える目標を立てて筋トレに力を入れていたところ、トレーニング中に左のお尻から太もも裏にかけてしびれを感じるようになりました。
いつも通っている鍼灸院に連絡したところ予約がいっぱいだったため、以前通院していた当院に緊急でご連絡をいただき、施術を行いました。
当院での所見
問診と触診、動作確認を行ったところ、以下の点が分かりました。
- 左の腹斜筋に強い緊張がある
- スクワットなど下半身を使うトレーニングの際、膝が内側に入る「ニーイン」という動作のクセがある
- もともと肩こりと寝つきの悪さ(不眠傾向)があり、忙しさで体のケアが後回しになっていた
ニーインは膝が内側に倒れ込むことで股関節や骨盤周囲のバランスを崩し、お尻から太もも裏にかけての坐骨神経の通り道に負担をかけやすい動作です。左の腹斜筋の緊張も、骨盤の傾きや体の使い方の癖と関連していると考えられました。
東洋医学的に見た原因|肝主筋と気滞、脾胃の関係
坐骨神経痛は、腰から殿部を通って片方の脚の裏側にしびれや痛みが広がる症状で、坐骨神経が圧迫や負担を受けることで起こるとされています(出典:MSDマニュアル家庭版「坐骨神経痛」)。今回のしびれも左側に集中していた点が、坐骨神経痛にみられる特徴と一致していました。
東洋医学では、筋(筋肉、腱、靭帯)の状態は「肝」が司ると考えられています。出張で生活リズムが乱れたり、食事の時間が不規則になったりすると、肝血が消耗し、筋の柔軟性やコントロール力が落ちやすくなります。これが、ニーインのような代償動作の出やすい土台になっていた可能性があります。
また、左の腹斜筋の緊張は「気滞」の表れと捉えられます。気の巡りが滞ると、東洋医学でいう「不通則痛(気血の流れが滞ると痛みやしびれが生じる)」の状態になり、坐骨神経の通り道にも影響しやすくなります。
さらに、忙しさで食事が遅くなったり、冷たい飲み物を摂る機会が多いと、脾胃(消化機能)の働きが落ち、気血を十分に作れなくなります。気血が不足すると、末端の筋肉や神経への栄養がゆきわたりにくくなり、しびれが長引く要因になります。
当院での施術内容
坐骨神経痛様のしびれと、もともとあった肩こり、寝つきの悪さに対して、パルス(電気鍼)とお灸を組み合わせて施術を行いました。
- 環跳、殷門、承山など、坐骨神経の通り道にあたるツボへのアプローチ
- 緊張していた左の腹斜筋と股関節周囲の筋肉へのパルス
- 筋の状態に関わる「肝」を意識したツボ(太衝など)への施術
- 肩こりと不眠に対するお灸
施術後はしびれが和らぎ、体全体の緊張も軽くなった状態で終えることができました。
セルフケアのご提案
今回のようなしびれを繰り返さないために、以下のセルフケアをご提案。
- スクワットなどのトレーニング時に膝が内側に入っていないか(ニーインの有無)を意識する、もしくはトレーナーにフォームを確認してもらう
- 股関節周囲やお尻のストレッチを、トレーニング前後に取り入れる
- 出張中も座りっぱなしの時間が続くときは、数十分おきに軽く体を動かす
- 食事の時間が遅くなりがちなときも、冷たい飲み物は控えめにする
すでにお酒や甘いものを控えていらっしゃるとのことでしたので、その延長で取り入れやすいかと思います。
筋トレが原因となる坐骨神経痛の症例は、過去にもご紹介しています。スクワットによる坐骨神経痛の症例はこちらでもご覧いただけます。
まとめ
筋トレやスポーツで体を活発に動かす方ほど、知らないうちに体の使い方の癖(ニーインなど)が坐骨神経痛様のしびれにつながることがあります。お尻や太もも裏のしびれ、長引く違和感がある場合は、フォームの見直しと合わせて体全体のバランスを整えることが改善の近道です。
恵比寿、代官山エリアで坐骨神経痛や筋トレによる体の不調にお悩みの方は、ハリステーションにご相談ください。





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